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コラム

【マーケティングせつないとき】自分のことほど気づかないことに気づいたとき(2005.09.14)

私も関わる「花いっぱいラボ」が、先週春に続いてギフトショーに出展した。
毎回感じることだが、とにかく会場には「ないものはない」というほど生活関連製品が一同に集まり、それはもう圧倒される迫力だ。
国内最大級の見本市だけあり、メーカーを中心とする各企業は、気合を入れて自慢の商品を演出している。
インテリア雑貨、数、文具・事務用品等々、私自身、一生活者として夢中になってしまうブースも多々ある。もし買い物ができるイベントだったら、やたらと散財してしまうだろう。
会場を訪れるバイヤーたちは、自分が監督を務める舞台の役者をスカウトするが如くに、膨大な選択肢の中から自分の店のMDにマッチする商品を選ぼうと目を光らせる。目眩がしそうな量の中から、限られた時間で的確なセレクトを行なうのは決して容易なことではない。
私たちが、一個人として店に並んでいる特定の商品を見るとき、このショーの会場で見るほど魅力を感じないケースが多々ある。
それには、バイヤーが買い付け時点でミスチョイスをしている場合もあるだろうし、チョイスは正しくても、それを店頭でうまく演出できていない場合もあるだろう。素敵な店で素敵なインテリア小物を買ってみたものの、自宅においてみると「イマイチ」という、よくあるあのパターンだ。いずれにしても、自分の舞台の役者選びと、それを生かす演出は難しいということだ。
そう考えると、MUJIやユニクロ等、企画生産から小売までをトータルでプロデュースする企業が伸びていくのは、コストや品揃えの効率化のみならず、コンセプトの中心軸がぶれずにユーザーまで伝わりやすいという強みが大きいことがよくわかる。
翻って自分たちはどうなのか?正直まだまだ力不足を感じる。
他人の粗はよく気づくのだが、当事者となると自分の粗は本当に気づきにくいものだ。
商品の機能は?デザインは?パッケージは?価格設定は?訴求のためのコピーは?ブースの壁の色は?最適な什器は?・・・。一つ一つ組み立ててはいるのだが、全体の統一感が図れていないなどの不具合が起こる。
怠惰にしているつもりはないのだが、時間がない、人がいない、お金がない等という制約条件が先に頭に並び、それを打ち破る自己批判が隠れてしまい、思考停止に陥りがちだ。
「ジョハリの窓」に準えて言うと、「自分も他人も知っている自分」である「Aゾーン」を拡大することはかなり難しい。だからこそ、第三者の目で分析、アドバイス等を行なうコンサルティグ業という仕事が成り立つわけだ。
私自身このメルマガを書き続けてきて、いつも「ネタ」を見つけるという問題意識をもち、アンテナを研いできた。(いやアンテナを研ぐトレーニングとしてメルマガを書き続けたといった方が正確だが。)
しかし、まだまだだ。自分のこととなると感度が鈍ってしまう。
どうやらウルトラCはないらしい。
フレームワークをもつ、問題意識をもつ、謙虚に人の意見を聞く、批判的な眼で街を売場を見てみる等、当たり前に言われていることを地道に反復していくしかない。
そしてたとえ気づいても、その先には「わかる」→「できる」のハードルが待っている。しかし、何より気づかないと始まらない。
「豊かな感受性と謙虚な自己否定」───間違いなく、マーケティングのキーワードだ。(鈴木一)

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】99号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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