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環境志向を訴求するシャープの液晶テレビAQUOS(アクオス)。店頭にはその一部に「亀山工場製品」という案内がある。何で工場名が?──三重県の亀山工場は最新の環境技術を結集した環境負荷をミニマイズした工場だ。そして「亀山工場製のAQUOS」は指名買いされる。その他にも・・・。
・パタゴニアで買い物をするとショッピングバッグをくれないが、決して サービスが悪いなんて思わない。
・ヨガ教室が人気だ。
・マクロビオティックという言葉をよく目にするようになった。
・クールビズに限らず、CO2を減らそうという広告メッセージが増えて いる。
これって、エコ?いや「ロハス」。
LOHAS(ロハス)とは「Lifestyles Of Health And Sustainability」の略語で、「健康的で持続可能なライフスタイル」と訳される。米国の社会学者ポール・レイ氏と心理学者シェリー・アンダーソン氏が1998年に発表したもので、欧米で新しい価値観として広がった。
日本でも雑誌やラジオ番組でもLOHAS特集が組まれ、また日経MJの2005年上期ヒット商品番付で大関に輝くなど、注目のキーワードだ。
LOHAS層の人は、心と体の健康を目指すと同時に、地球環境や自然保護に気を使い、その価値観に合致するものに興味を示す。ヨガ、アロマテラピー、オーガニックな素材を使った食事等がそこにはまるというわけだ。
LOHASをマーケティングの面から見たとき、その商品・サービスは、以下の5つのジャンルがあると言われている。・「持続可能な経済」
(風力発電等の再生エネルギー、省エネ商品&グリーンな都市計画等)
・「健康的なライフスタイル」
(オーガニック&自然食品、健康食品、自然化粧品等)
・「代替ヘルスケア」
(自然治療、はり治療、漢方薬、アロマテラピーなど)
・「自己啓発」
(ヨガや習い事、フィットネス、能力開発や精神性の向上のためのソ フト等)
・「環境を配慮したライフスタイル」
(エコハウス、エコ関連の各種商品等)
米国においては、これらLOHAS分野の2003年の市場規模は4400億ドル、LOHAS人口は6800万人に達したとのこと。
企業はたくさん生産し、消費者はトレンドを追ってモノや情報をたくさん消費し続けたが、「それで何なの」と、「心の豊かさ」は得られないことに気づいた。豊かな体験をしたからこそ気づいたのだ。
その揺り戻しとして、自らの生活スタイルを見直した結果たどり着いたLOHASは、消費の面においても、提供の面においても必然的で、かつ望ましい「落ち着きどころ」なのかもしれない。
似た言葉にスローライフがあるが、こちらは欧州でグローバル化に反対する運動から起こったもので、都市から抜け出し「田舎暮らし」で自らをリセットするというものだ。そこには不便は不便として受け入れ、我慢するというニュアンスがある。
それに対して、LOHASは、現在の暮らしのレベルを落とさずに自らの欲求も満たすことを前提しており、どちらかというと都市生活型のコンセプトと言えるだろう。
さらに、LOHASの基本は「自我の確立」だ。トレンドや他人の意見に流されずに、自分のライフスタイルを作り上げることがポイントになる。つまり、LOHAS層の拡大は、選択眼の肥えた賢い消費者の拡大を意味し、マーケティングの難易度が高まる。
LOHAS層には小手先のテクニックは通用せず、企業は、本当の意味で「地球市民」として活動し、それをメッセージとして伝えていかないと共感を得ることができない。
そんな時代に通用するマーケターでいるためには、やはり自らもLOHASしないとダメかもしれない。(鈴木一)
*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】92号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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