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コラム

【マーケティングせつないとき】パイの取り合いに忙しく、ユーザーの心に火をつけられないとき(2005.03.30)

幕張メッセで開催されたフラワー&ガーデンショウに、当社が関わる花いっぱいラボ(※)が出展した。
天候にも恵まれ、花日和。「花のまち」という千葉の地域性もあってか、会場は大勢の花好きでにぎわった。
それにしても以前に比べるとずいぶん出展社数が減り、会場が狭くなったことをはっきりと感じとれる。これまで出展してきた企業から見て、このイベントに出展するコストパフォーマンスが疑問視されていることの表れと言えるだろう。
まず出展者サイドから見ると、イベントそのもののターゲットがはっきりしない。
先日花いっぱいラボが出展したギフトショーは、原則として一般の人は入場できず、会場内での小売も行わないという企業対企業(BtoB)のイベントだ。それゆえ、来場者は主に商売のネタやパートナー探しを目的としているため、出展者側は、ストレートな商品説明や商談レベルのつめた内容までやりとりすることができる。各ブースへの来場者はそれほど多くなくとも、ビジネスという点では中身の濃いコミュニケーションがもてるというわけだ。それに対して今回のイベントは、初日から一般の方の来場が可能で、ブースにも展示、展示即売、販売の性格の異なるものがゾーニングされ、今ひとつ中途半端な印象を受ける。もちろん、企業関係者も来場しないわけではないが、雰囲気があわただしくとてもじっくり商談できるイメージではない。
であればBtoCイベントと割り切っていくという考えもある。
花好きが集まるイベントでとにかく売上を稼ごう!たしかにそれも一つであろう。しかし、出展料をはじめとする費用や手間を考えるとはたしてどれだけ売れば元がとれるのか、効率と効果は疑問だ。
それでは、ユーザーの声を聞こう!それはいいことだし、確かにユーザーから生の声を直接聞けるいいチャンスではある。しかし、失礼ながら来場者の多くは、無料のサンプル、プレゼント、安い掘り出しものを探しにくる。最終日の展示品の即売への群がりは殺気を感じるほどだ。もちろん中にはそうでない人もいるわけだが、次のマーケティング戦略につながるようなユーザーの声をどれだけ集められるかについても確信がもてない。またそんな状況で、認知の拡大やブランディングといっても心許ない。
別に、イベントの主催者を責めているのではなく、ましてやユーザーが悪いと言っているわけではない。
確かにガーデニングブームの頃に比べると、市場規模は縮小しているだろうが、生活者の花と緑に対する興味関心は高まっているはずだ。しかし業界は悪い。景気が悪い、海外からの輸入に押されている等理由はいろいろと挙げられるであろうが、ユーザーの心に火をつけるような企業側の努力が足りないことが大きいと思う。
私自身、以前はこのようなイベントでは、多くのパンフを集めたものだが、最近はあまり目新しいものが見つからない。確かに新製品は出ているが、製品中心の差別化と、それを他社が真似るということを繰り返すことで、結局は新しいコンセプトが打ち出せず、細かな差別化はユーザーから認識されないという状況に陥ってしまう。そして、価格競争に巻き込まれて自らのブランド価値を落としてしまう。こんな構図が多いのはないだろうか。
花いっぱいラボでは、「Something Unique」を合言葉にものづくりに取り組んでいる。
いわゆる園芸業界としては全くの後発なので、既存の市場のパイの取り合いに参戦するのは避けたい。ユーザーの内なる声を発想の起点として、市場の境界線を拡げることで、新たな成長機会をつくり出す「ディマンドイノベーション」の発想で実績を重ねていきたい。「伸びない市場で稼ぐ」実にチャレンジングな課題ではあるが頑張っていこう!
※「花いっぱい.com」(http://www.hanaippai.com/)内にコーナーがあります。 → http://www.hanaippai.com/labo/
(鈴木一)

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】77号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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