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コラム

【マーケティングせつないとき】知らぬ間におもちゃが増えているとき(2005.02.16)

小さな女の子をお持ちの方はご存知かと思うが、日曜朝に「ふたりはプリキュア」という人気TVアニメがある。
うちの娘も、日曜日はそのために早起きし欠かさず観ている。そしてCMでキャラクターのおもちゃが紹介されると「これ欲しい!」と騒ぐ。昨年末、もうすぐ番組が終わってしまうとの情報があり、「今買わないとなくなっちゃうから買って!」と、変身のときに使う「コミューン」とやらを前に売場でだだをこねていた。親は渋ったが、おばあちゃんに買ってもらった。娘もおばあちゃんにねだればゲットできることを知っている。
そして、番組が終わりになると聞いていた1月が過ぎると、今度は「ふたりはプリキュア マックスハート」という名前にマイナーチェンジして再スタートした。ストーリーは続いているが、例の「コミューン」やコスチュームなどが少しだけ変わった。
当然それにあわせて新しいおもちゃが発売され、娘は「新しいのが欲しい」と始まる。
おいおい。そんなんありかよー。「ダメダメ。」と親は冷たいが、これも結局、おばあちゃんにねだってまもなくゲットしていた。
番組の提供企業はバンダイ。キャラクタービジネスを中心に、過去最高の連結経常利益を計上、また株主への配当を引き上げるなど好調だ。この「プリキュア」も「たまごっち」、「デカレンジャー」などとともに好調で稼ぎ頭とのこと。同社は、ガンダム、ウルトラマンをはじめ既に200を超えるキャラクターを商品化している。
広告枠を玩具メーカーが買い、番組と連動しながら、関連商品を販売して儲ける戦略を「バンダイモデル」と呼ぶらしい。
バンダイ自らがアニメを制作しているわけではないのだが、どうも番組自体がおもちゃをたくさん設計しやすいように組み立てられているように見えるのは気のせいだろうか。
また、提供企業は番組の放映期間を知っているので、例えば番組終了が見えてくると、ライセンスの条件を下げ提供先を増やして一気に売りさばくなんていう調整も可能だろう。(実際にそうしているかどうかは知らないが)
日本のアニメは、ディズニー等米国のそれと比較して制作費が極端に少なく、最初からあまり大きな収益の道付けを行っていないとのこと。ヒットの感触を徐々に確かめながら段階的にビジネスを拡げていくという戦略が一般的らしい。あのポケモンでさえも。そんな中で、バンダイは関連グッズやライセンス使用料収益で手堅く利益を出している。
少子化で子どもの数が減っているから、売上を伸ばすには客単価を上げないといけない。そのためには、たくさんのおもちゃを買わせるか、高いのを買わせるかということになる。番組がリニュアルされ、マイナーチェンジされた商品が出れば数が増え、オプションがついたりゲームやコンピュータ的な要素が付加されたりすれ商品単価も上がる。
しかし、親の財布にはそれほど余裕がない。そこでおじいちゃん、おばあちゃんの出番だ。最近の子どもが両親2名に加えて両親の祖父母4名、計6人のスポンサーを持つという「シックスポケッツ時代」の購買行動を見事についたしゃくに障る作戦にまんまとはまっている。
うまい戦略ではあるが、子をもつ親の立場からすると勘弁してよという感じだ。
マーケティング以前に、我慢することができない人間になってもらうのが一番困る。(鈴木一)

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】71号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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