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コラム

【マーケティングせつないとき】パフォーマンスのモノサシをつかみにくいとき (2005.02.02)

「商品の満足度」─最近商品企画に携わりながら、この言葉の深さを痛感している。
で、今回はそれをありきたりの「コストパフォーマンス」という言葉から考えてみた。

コストパフォーマンスとは、単純に「パフォーマンス÷コスト」であると考えてみる。
このうち「コスト」とは、購入価格であり、これは、お店によって高く買えたり安く買えたりの差はあるが、商品に付随するものであり、一定のモノサシで測りやすい。

これに対して一筋縄ではいかないのは「パフォーマンス」だ。これは換言すると「価値」とも表現できるだろう。

企業は、機能なデザイン等の観点から、自社製品が競合よりも高いパフォーマンスであることを主張する。例えば、デジカメで言えば、画素数、電池の持ち、コンパクトさ、ズームの倍率等々。確かに私たちは購入する際には、これらを比較検討する。
しかし実際には、パフォーマンスとは、購入後使い続けた上で決まるもので、メーカーの提供する「スペック」とは必ずしも一致しない。
例えば、画素数最高の一眼レフデジカメを買っても、そのうちの一部の機能しか使わなかったり、もっと言えば大きいので結局持ち歩かなかったりということになれば、宝の持ち腐れであり、パフォーマンスは非常に低いことになる。

また、購入したモンブランの万年筆を、仕事でもプライベートでも使い倒し大活躍。これ一本で何でも書きまくるということであれば、当然パフォーマンスは高いということになる。しかし、「書く」という機能だけとってみたら、他の安い筆記具でも選択肢はいくらでもあり、それだけでは高価なモンブランは買わないだろう。
その点から見ると、使い倒さないからといってパフォーマンスが低いとも言い切れない。
例えば実際に字は書かなくても、「スーツの胸に挿していることで、できるビジネスパーソンを演出し商談がうまく進んだ。(あまりないだろうが)」、「とにかく所有していることがうれしい。」等ということになれば、精神的な満足という点でパフォーマンスが高いことになる。分厚い書籍を購入して、読まないなんてまさにパフォーマンスゼロ、と言いたいところだが、本人が「積読(つんどく)に意味がある」と満足していればそれもまたパフォーマンスは低いとは言えない。

マーケティングからコストパフォーマンスを考える場合、パフォーマンスの二つの難しさをクリアしないといけない。
一つは、パフォーマンスのモノサシは、ユーザー・購入者側の主観の中にあり、個人によってもさらには同一人物でもさまざまなモノサシをもつ(ユニクロを着てBMWに乗るように)という点。それゆえ、マーケターは、誰のどういう「価値のツボ」にはまりたいのかをしっかりと定めたものづくりが不可欠となる。同時に、それが伝わらないと意味がないわけで、ターゲットの「価値のツボ」にぴったりとはまるプロモーションメッセージを発信しなければならない。
もう一つは、「パフォーマンス」というのは購入後に決定される点。「そのためにはアフターサービスの充実を。」などという前に、使い続けたときの品質(使い捨て商品であってもそれ相応に)というものを重視してものづくりが行なわれていることがポイントになる。

これらは当たり前の話ではあるが「知っているとできるとは大違い」だと痛感する。
あなたが最近購入したものの中で、コストパフォーマンスが高かった商品、低かった商品はそれぞれ何だろうか?そんなところからあらためて考えてみると面白い。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】69号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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