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コラム

【マーケティングせつないとき】買取サービスのお粗末さを体感したとき (2005.01.19)

先日、にわかに種類が増えた一眼レフのデジカメを物色してみようと思い立ちカメラ店をまわってみた。
ついでに、ランニングコストのかかる手持ちの銀塩一眼レフ(購入時、レンズ込みでたしか13万円くらい)を下取りに出してしまおうかと、買取を行っている3店にその査定金額を聞いてみた。

A店(新宿)は、多少の順番待ちをした後、感じよく応じてくれた。スタッフがいろいろとチェックしている。約5分後。結果は、本体+レンズで1万円。内訳は本体9,500円、レンズ500円。「本体はかなり状態がいいので、最高ランクですが、レンズはここのところに少し油がしみてきていますのでほとんど値段がつきません。」と丁寧な説明を受ける。

次のB店(新宿)。「査定だけ?」と迷惑そうで、カメラを出そうすると実際のものを見ようとせず、「品番教えてください。」と公開しているインターネットで検索しただけだ。その数字なら私も既に見ている。サイト上では「ご来店いただいたら、専門スタッフが査定します」等美辞麗句を並べておきながら横柄極まりない態度。許しがたい。結果は、レンズ込みで8,000円。内訳などの説明はない。

C店(日本橋)は、専門性が高いと評判の店。入ってみると確かにマニアっぽい客がたくさん来ている。いかにも専門家という感じのおじさんが、いろんな角度からチェックしている。結果は5,000円。その内訳は本体3,000円、レンズ2,000円だという。「これでは修理代の方が高いですね。」とのコメント。もったいぶったわりには、どこかどうなのかの説明もない。そして、詳しくチェックした割には、A店であったレンズの油の指摘はなく、価格が高い。

全体的に予想以上に安かったのは、私が相場を知らなかったゆえと納得するとして、驚いたのは、金額と内容、そして対応の差だ。ばらばらで、基準が全く曖昧なのである。
これでは、買取というものに不信感を抱かざるを得ない。当然だが、下取りには出すのはやめた。

このように、曖昧この上ない買取基準を明確にして伸びた有名企業が、言うまもないブックオフコーポレーションだ。
それまで古本の買取査定は目利きの世界だったものを、一定期間の研修を受けたパート・アルバイトでも、値づけができるというオペレーションに変えた。「きれいか、新しいかという基準で、定価の1割までで買い、半額程度で売る」という極めて明快なシステムは、古本というマニアックで暗いイメージまでも一変させた。
既存勢力の反発も大きかったらしいが、坂本社長の着眼点と行動力の素晴らしさをあらためて感じる。同社はその経験とノウハウを生かし、家具、服、スポーツ用品、貴金・時計等他アイテムにも広げつつある。
また、中古車のガリバーも、査定の基準を、車種、年式、走行距離を基本に明確化して伸びている。サイトでも「査定マメ知識」としてQ&Aを設置していて丁寧だ。

売り手であるエンドユーザーから見ると、高く買ってくれるということも大事だが、信頼できる相手に査定してもらっているかの方がより重要だ。
買取企業が、「売っていただく」という姿勢か、「買ってやる」という姿勢なのかは、サービス隅々まで現れる。
ブックオフのキャッチは、「本を売るならブックオフ」だし、ガリバーも販売よりも買取をメインに訴求している。
当然商売としては、「売る」ことで収益を得ているわけだが、「買う=仕入」を徹底的に改革することが競争力になることを学ぶことができる。

環境という時代のキーワードから見ても、中古市場というのは今後も伸びていくであろう。
カメラを含め、周囲で未開拓な中古市場がないか、また、あっても、旧態依然として曖昧な基準になっていないか等をチェックしてみると、今後の大きなビジネスチャンスが見つかるのかもしれない。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】67号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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