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年初に、「マーケのアンテナをウキーッと磨く3つの視点」というのを挙げたが、簡単にレビューしてみたい。
1つめは、「2004年あなたの消費、ハレのシーンは?」だった。
「非日常」を意味するハレと、「日常」を意味するケの消費シーンがごちゃ混ぜだが、自らの消費行動を観察してみようというものだった。
社会的には、ハレのイベント「オリンピック」が目立ったが、その他にもハレ消費を誘惑するスポットがいろいろできた。その一つが日本橋で、中でも三越が株式会社化100周年と新館オープンを記念して開催した「100年祭」では、江戸時代の千両箱を再現した「純金千両箱」(一オンス金貨500枚入りで1億500万円)、3000個の真珠をちりばめた女性用下着(1050万円)など、ド派手商品群が話題になった。純金千両箱は売れたというからハレ消費にも程がある。
あなたのハレ消費はどんなものだっただろう。ブランドショッピング、それとも、豪華なランチ、お取り寄せ?はたままたヨン様ツアー?
10大ニュースとともに、今年のベストバイ・ワーストバイを振り返るのはおもしろい。
2つめは、「オリンピックまわりのマーケティングドラマはいかに?」。
予想をはるかに超えるメダルラッシュは、大きな感動消費を生み出した。
デジタル家電がその主役だったことは、前号のヒット商品番付関連でも述べた通りだが、それ以外もいろいろあったと思う。
人々を家にとどめたオリンピックと猛暑とのシナジー効果で、エアコンが売れた。また、ヒーローやヒロインが生まれた種目では、スポーツそのものの裾野消費が拡大した。スイミングクラブや体操クラブにはメダル直後、入会申込が殺到したらしい。単純だがいい話だ。また単純と言えば、デパ地下では北島コロッケとメンチカツに行列ができた。あれが和菓子だったらイマイチだったろうが、コロッケという大衆食品であったところが絶妙。
北島商店も商いのメダルゲッツといったところだ。それから、常盤薬品の「眠眠打破」も好調。オリンピックを観戦のためではなく、翌日の眠気を覚ますためだ。ネーミングもアッパレだが、今回オリンピックが近くの地域での開催だったら注目されなかったかもしれない。「時差」が生んだヒットと言える。
オリンピックにあやかった販促もにぎやかだったが、いい話ばかりではない。近所の寿司屋では、金メダルを獲得したら翌日はランチが200円引きというチラシを事前にまいていたが、予想だにしなかった連日の金メダルで、普段から繁盛しているその店では利益率が下がっただけだったようだ。
3つめは、「広末君とブッシュさんは自らをどうマーケするのか?」。今ひとつ、イケてない二人にスポットをあてた。
広末君は、産休中に、当時最も露出があったYahoo!BBをCMクイーン上戸彩にとられてしまった。今は地下鉄車内の人材派遣会社の広告で見かけるが、ワーキングウーマンの装いが切ないほど垢抜けなく感じるのは私だけだろうか?広告主の伝えたいメッセージにはそぐわないのではと感じるが、大きなお世話かもしれない。
と思っていたら、広末君は11月下旬のバラエティ番組で、1年ぶりに仕事復帰した。ドラマでの復帰が有力視されていたがバラエティーとは、今後そういう路線なのだろうか?
タレントのライフサイクルコントロールは本当に難しい。起死回生はあまり期待できないかもしれないが、ポジショニングをうまく見つけて息の長い活動をしてくれればと思う。珠緒同様、長井秀和にいじってもらうあたりから入るという手もあるのかもしれない。(これこそ大きなお世話だが)
「ブッシュさん」はケリー氏の追い上げを振り切り、大統領戦に勝利。イラクやテロへの姿勢や方法論等、賛成できない人が多いはずだが、今回の選挙で、米国民はテロとの戦いには先制攻撃も辞さないという強硬姿勢に信任を与えたことになる。勝利のポイントは何だったのかはわからないが、宗教的背景から厚い支持層を得ていたこと、また支持者の多くが「イラクには大量破壊兵器が存在した」と誤解していたこと等の話が聞こえてくる。
いずれにせよ選挙というマーケティングには勝利したが、世論の国内分裂が起こっていることも確かで、商品でいうと「使い続けた時の品質」はここから試される。そういう点では、プロダクトとしての「政策」と、「プロモーション」としての、米国民及び世界とのコミュニケーションを核に据えたブッシュさんのマーケティングは、手を緩めるどころではない。
短い一年だったが、振り返ってみるといろんなことがあった。2004年流行語大賞は、ご存知の「チョー気持ちいい」。昨年の「毒まんじゅう」、また過去を遡って印象深い「すったもんだがありました」「同情するならカネをくれ」等に比べると明るく前向きでいい。しかし一方、清水寺で発表された「今年の漢字」は「災」。
マーケティングの話は、誰もが安心・安全に暮らせるということの上に成り立っていてほしいと強く感じる。「災い転じて福となす」。2005年は生活もマーケも「福」の年であって欲しい。
*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】64号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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