アテネオリンピックでの金メダルラッシュ、イチローの快挙、女子プロゴルフの宮里藍ちゃん、卓球の愛ちゃん。また場外では野球の球団再編劇。
またファッションにおいても、スポーツメーカーが高い機能をもつ素材を生かしファッション性の高いウェアを発売し好調らしい。
2004年のマーケティングはスポーツをなくしては語れない。
スポーツは、娯楽という観点だけでなくビジネスという点から話題になり、スポーツマーケティングという言葉が普通に使われるようになった。
今年の景気におけるスポーツの貢献は極めて大きいと言えるだろう。
先日、ジーコ監督、カズやゴンら「ドリームチーム」が、新潟中越地震被災地の小千谷市などを訪問した。テレビに映る子どもたちの本当にうれしそうな笑顔が印象的だった。スポーツは、人間に活力と元気を与える。そしてその元気が景気につながるのだ。
この調子で「スポーツ景気」が盛り上がってくれればいいのだが、シーズンが変わり少し不安な材料がある。それはウインタースポーツ、とりわけスキーだ。神田小川町のスポーツ店街も昨年よりさらに静かな気がする。
とにかく雪が降らない。5日の日曜日には東京で25度超という信じがたい異常気象。私が学生時代、スキーをやっていた頃は、確か勤労感謝の日には、既に初滑りをしていた。人口降雪機等の技術発展で、雪は降らなくてもスキー場としての稼動はできるものの、やはりそれはそのままコストとなるので、ダメージは大きい。
そして雪不足のみならず、バブル崩壊後、出費のかさむスキーは敬遠されがちになり、全国のスキー人口は、1992年1760万人、93年の1770万人から、2001年までに1080万人にまで落ち込んでいる。
さらに、今シーズンそれに追い討ちをかけたのが、新潟中越地震だ。
新潟県内スキー場利用者は2003年12月から2004年3月にかけて約776万人。
前年冬比で約11%減、1992〜93年ピーク時に比べると約51%も減少したというのに、その上で、地震による被害だから深刻だ。
一部の地域を除き、大半のスキー場は地震の被害がなく予定通りオープン予定。先月20日「苗場スキー場」が営業を開始したが、人工造雪機で造り出した全長約900メートルのゲレンデには、例年並みの約2500人が訪れたとのこと。
新潟県は、JR各線の中づり広告、JR上野駅での特設ブースの設置、また旅館の女将たちが、都内百貨店で「地震に負けずがんばっています」とチラシを配る等、「新潟は危険」という風評によるスキー客減少の被害を防ぐため必死のPR活動を行っている。
しかし、風評といっても、今回はBSEなどとは違ってもし起こったら防ぎようのない天災が相手だけに、安心感を植え付けるのはそう簡単ではない。前述のようなマスのPRは、確かに共感を生み出し、いたずらな不安を取り除くことはできるだろうが、スキー場へ足を向かわせるにはもう一歩だ。
そんな中、逆境を跳ね返して客を呼べるのは、これまで顧客とのコミュニケーションを大事にしてきたスキー場であり、宿であると思う。具体的には、顧客管理をしっかりと行い、オフシーズンもメールやDM等でこまめなフォローを行なっているスキー宿。また、会員組織を設けて、現地の情報やお得なクーポン等を積極的に提供しているスキー場などだ。
このようなところは、直接顧客と連絡をとる手段をもっている。それを生かして、実際の被害の状況、施設・設備点検の状況等をしっかりと情報公開し、メッセージを伝えることで、漠然と「安全です。安心です。」を連呼するより圧倒的に説得力がある。
また、顧客との関係性を生かして、復興支援寄付金付のリフト券や食事券、また2シーズン使える会員券等、ピンチの時期ならではの新たなサービスメニューを売り込むことも可能だ。
一方、残念ながら、そのような努力を怠っているスキー場は、今シーズンさらに厳しい状況となってしまうであろう。
ともかく、新潟のスキー場に出かけることは、間接的な復興支援と言える。
モノより思い出。スポーツのエキサイティングさを忘れることなく、ウインタースポーツで自分も元気になり、そして被災地にも元気を与えようではないか。間違っても、スキーの予算を削って、銀座のシャネルで奮発するようなことのないように。
*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】62号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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