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コラム

【マーケティングせつないとき】「モテるためにはやっぱ外見」と気合いの入るオヤジを見たとき (2004.12.01)

『モテる「ちょい不良」オヤジの作り方』こういうコピーの車内吊り広告を見るとちょっと「寒く」なるのは私だけだろうか?

以前はあまり見かけなかった中年向け男性雑誌が、書店に多数並んでいる。
Pen、LEON、Men's-EX、BRIO、Gentry等々。
中年世代というのは雑誌をあまり購読せず、発行部数はせいぜい数万部しか見込めないゆえ、これまではあまり脚光を浴びなかった。しかし、最近は購買力の大きい固定読者をつかんで、広告収入をしっかり確保するという方向転換で成功事例が出てきているらしい。

そう。その火付け役が「ちょい不良(ワル)」オヤジ」の男性雑誌「LEON(レオン)」(2001年創刊、主婦と生活社)だと言われている。

立ち読みでしか眺めたことはないが、読者ターゲットである富裕層のオヤジの願望とは、結局「モテたい」ということだという前提で、さまざまな商品情報やハウツーなどが「モテるためのツール」として編集されている。
「オヤジ」「ちょい」「不良」など、耳障りというか、消化の悪いキーワードが頻発し、ファッション、クルマ、高級時計などのコンテンツが柱となっている。
なんかいい大人を「その気にさせる美辞麗句」でひっかけようとしているようで、いかがなものかと感じてしまうのだが、意外にも、狙い通り広告収入をがっちり確保しているというのだ。

成功の理由の一つとしては、LEON側がスポンサーとの協賛を受けて、さまざまなイベントを行い、その世界観の演出やブランディングに努力しているということが言える。
それと、もう一つは、読者層にあたるオヤジは、バブル期をはじめ消費意欲旺盛な時代を生きてきて、「買い物大好き」という消費のDNAをもっていることだろう。

雑誌に限らず、以前は買い手として重視されてこなかった大人の男性市場への注目が高まっていることは確かだ。特に、日本人男性の意識が最も遅れていると言われる「衣」の分野は、成熟し競争の激しい女性市場に比べて未開拓で、今後の発展が期待されている。

その具体的な表れの一つが、2003年9月に45億円をかけリモデルオープンした伊勢丹メンズ館だ。メーカーやブランドごとの括りをとっぱらった「テイスト分け」と呼ばれる売り場構成は、最初はとまどいを感じるが、その分伊勢丹の独自の提案力を感じる。特に1階は特徴的で、まさに大人向け男性雑誌(LEONに限らず)が、そのまま売場になったような編集になっている。個人的にはメンズコスメティック、ジュエリーなどにはあまり興味はないが、バッグ、財布、手帳等の雑貨類は楽しく、確かに物欲をくすぐられる。売上も順調に推移しているとのこと。

マーケティング戦略上、未開拓の男性市場の開拓という切り口は、確かに「あり」だし伊勢丹やLEONがその方向の正しさを証明している。

が、マズローの欲求でいうと高次元の「自己実現の欲求」へ、消費においては、「モノより心」、「モノからコト」と進化してきたはず。金も名誉もあるいいオヤジのモチベーションが「モテたい欲求」であったり、物欲であったりするのは、ちとせつないのではないか。
何か人としての底の浅さを感じてしまう。・・・単なるひがみか?

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】61号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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