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みそかつ、きしめん、エビフライ、味噌煮込みうどん、天むす…特に名物は変わってないな、とガイドブックを確認し、本当に久々に名古屋駅を降りた。
「名古屋は元気」という話は以前から聞いていた。愛知県の経済成長率も全国平均を大きく上回っている。どれどれ。駅に降りると、先入観も手伝ってか、確かに活気があるような気がする。
目に飛び込んでくる摩天楼。まずは、名古屋のランドマークで、平成11年末に開業したツインタワー「JRセントラルタワーズ」。そこにオープンしたジェイアール名古屋高島屋は、「4M」と呼ばれる松坂屋、名鉄百貨店、名古屋三越、丸栄に殴りこみをかけ、ティファニーをはじめ多くのブランド店を誘致し進出し大きな話題となった。その後も順調に売上を伸ばしているらしい。のぞいてみるとOL的な客層を中心ににぎわっていた。
建設中のタワーもある。平成18年に完成予定で、中部一の高さとなる高層オフィスビルには、トヨタは東京から海外営業部門が拠点を移すそうだ。
また、駅北側の「名古屋ルーセントタワー」は、19年3月の完成予定だ。
名古屋元気の理由としてはトヨタをはじめ、地元製造業の好調などいくつか挙げられるが、やはり、大きな元気の源は「愛・地球博(愛知万博)」とそれに先立ちオープンする中部国際空港だ。
愛知万博は2005年3月25日〜9月25日の185日間、名古屋東部丘陵を舞台に開催される。世界120カ国以上が参加し、目標入場者数1,500万人が見込まれている。事業費は、会場建設費1,350億円、運営費550億円とのことで、会場、リニア、高速道路建設費の無駄や自然破壊が指摘され、反対運動も多く起こっているものの、開催までは秒読みとなった。愛知県の試算では、愛知万博と中部国際空港の2大プロジェクトが期間中にもたらす県内の経済効果は7,921億円に上るという。
日本での万博といえば、1970年に開催された大阪万博(日本万国博覧会)が最初だった。当時私は小学校低学年で関東に住んでいた。結局会場には行けなかったのだが、ガイドブックを買って折り込みの会場案内図を眺め、アメリカ館の月の石の説明に見入ったり、太陽の塔の付録模型を組み立てたりしたのを今でも鮮明に覚えている。大人になって初めて万博公園で「太陽の塔」を見たとき、少なからず興奮と感激を覚えた。
また海外に目をやると、パリのエッフェル塔は、1889年にパリで開かれた万国博覧会の時に建設されたものだというから万博がどれだかビッグイベントぶりがわかる。
今回の愛知万博はどうだろう?確かに地元は元気のようだが、残念ながらその盛り上がりは東京には伝わってこない。
先日それを裏付けるデータとして、内閣府の世論調査の結果が発表された。愛知万博を知っていると答えた人は56%にとどまり、1970年の大阪万博開催半年前の調査での認知度98%に大きく及ばなかったという。また地域別認知度では、地元東海で95%だったのに対し、北海道、東北、中国、九州では50%以下だったとのこと。
これではお話にならない。国際博覧会どころか、地元の行事だ。
大阪万博で活躍し、2005年日本国際博覧会協会の最高顧問を一時期に務めた堺屋太一氏が雑誌取材で応えたコメントによると、「イベントはホテルをつくるようなものだ」という。建築中は、建物の形状や仕様などハードが話題になるが、開業後は、料理やサービスなどのソフトが話題になり、建物の格好でホテルを選ぶ人はほとんどいなくなる。万博も開幕まではハードばかりが話題になるが、開催されるとソフトだけになるというのだ。実に面白い例えで、全くその通りだと思う。
愛知万博がニッポンのイベントとして成功するには、認知を拡大するためのプロモーションが大事だが、その前に、交通費をかけても一目見たい、一度是非体験したいというソフトとしての目玉が欲しい。失礼ながら、ハードを見るために東京から名古屋まで足を運ぶ気にならない。少なくとも、大阪万博のときの「太陽の塔」や「月の石」はハードではなくソフトであり、それを目の前にした自分を想像してワクワクするものがあった。だから6,422万人もの人を迎えることができたのだろう。
愛知万博開催まであと120日。愛知ではどんな「月の石」や「太陽の塔」を演出してくれるのか楽しみに待ちたい。
*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】60号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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