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コラム

【マーケティングせつないとき】徹底した「べからずサービス業」に出くわしたとき (2004.11.04)

久々に頭に来た。
私事で恐縮だが、小生「四十の手習い」で少林寺拳法を習っており、夏の東京都大会「親子演武の部」で幸運にも優勝し、名古屋で開催される全国大会に東京都代表として出場することになった。

で、その前泊宿を手配しないといけないのだが、名古屋の連休を甘く見て、不覚にも予約の時期が遅れ、うまく宿がとれない。ネット予約を試みるが、ビジネスホテル系はバリエーションが広いが子どもが一緒となるとたちまち選択肢が少ない。ようやく楽天トラベル(旧旅の窓口)で安い旅館を一つ確保できた。
ひと安心していると、数日後に予約のとれたA旅館から家族に電話があった。ネット上では空室があったが、実は満室だったので、別のB旅館に私の名で予約を入れたとのこと。詳しくはB旅館に連絡をとって欲しいというのだ。

伝言を聞いて「なんだそりゃ」と思ったが、何しろB旅館の住所、値段、部屋等の概要が全くわからないので、早速B旅館に電話を入れてみた。が、何度かけても全く電話に出ない。もしかしたら番号違いかもという不安もあり、再度A旅館に電話して確認してみた。

A旅館の旦那:「あのおかみさんは、なかなか電話に出ないんですよ。何度もずっと鳴らしているとそのうち出ますよ。」
私:「はあ???だって旅館でしょ。だったら、その旅館のパンフか何か送ってもらうか価格や施設等最低限の概要を教えてもらうよう伝えてもらえますか?おたくが私の名で予約入れたんでしょ。」
私としては、クレームではなく質問のつもりであった。
A:「パンフとか概要を書いたものなんかないですよ。かなり年配のおかみさんが一人でやっているんです。値段はうちと同じにしておくように言っておきました。温泉旅館のようなイメージをもってもらっては困りますよ。そういうところと比べたら、下の下の下の下ですよ。わかります?」
私:「誰もデラックスな設備や過度なサービスを求めていません。ただ大会の前日なので快適に休みたいですから、最低限の情報はないと安心できないですよね。」
A:「快適?うちらの宿は、現場のおっさんや外国人が多い、そんな宿ですよ。期待しないでください。少林寺拳法の方ですね。今回うちは約40名の少林寺拳法の団体さんにドタキャンされてまいってるんです。
またそういうことがあってはたまらないので、インターネットの方はわざと空室にしておいたんですよ。だから鈴木さんのようなケースはうちから他の宿に回してるんです。」
私:「客への相談や了解なしにそうやって、勝手に予約回していいんですか?」
こんなやり取りがしばらく続き、私は徐々に声を荒立てエキサイト、B旅館もキャンセルしたことは言うまでもない。(おかげさまで別宿を一つ確保できた。)

製品とは異なるサービスの特性の一つに「無形性」がある。サービスには形がなく、最初に信頼を得ないと購入されない。それゆえ買い手は、場所、人、価格、従業員の態度等目に見えるものを通じてサービスのレベルを見極めようとし、一方提供者側は何とか目に見える形を示して信頼を獲得しようとする。もう一つ「不可分性」もサービスの特性だ。サービスは提供者と消費者が同じ現場を共有するので、サービススタッフと顧客間に相互作用が起こる。よって、よいサービスを提供するにはよいサービススタッフの存在が不可欠になる。

この二つに照らしただけでもどうだ?
電話に出ないB旅館、それを正当化するA旅館。こういうところを効率化しているから安いという説明ではなく、安いんだから文句を言うな、我慢しろという態度。団体キャンセルされてこっちも大変と、私には無関係なことと引き合いに出す言い訳にならない言い訳け。おまけに同じ少林寺拳法の人間だからと関連づけるような理不尽さ。許可なく勝手に個人情報を他の宿にまわす犯罪ともとれる行動。
とてもサービス業とは思えない信じられないものばかりだ。

「べからず集」の材料としては面白いが、世のため人のために是非一日も早く看板を下ろして欲しいものだ。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】57号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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