Synergy Partners Home
株式会社シナジー・パートナーズ

コラム

【マーケティングせつないとき】「Tシャツ着てても心は錦」というわけにはいかないとき (2004.10.27)

専門学校の授業では、就職というのは「自分マーケティングそのものだ」というような話をするわけだが、そう言いながら、自分マーケティングというのはそう簡単ではないことを思い知らされる。

楽天とライブドアのプロ野球新規参入対決。もちろん法人同士の戦いであるが、同時に楽天三木谷氏とライブドア堀江氏の戦いとも見て取れる。
仙台本拠地を最初に表明した堀江氏に対し、後発の三木谷氏の人気は地元仙台では劣勢らしい。ファンありきのプロ野球ゆえ仙台市民の声はもちろん無視できない。
しかし一方、新規参入を決めるのは重鎮のおじさんたちであり、そういったメンバーからの人気とつながりという点では、アドバイザリーボードにトヨタ自動車奥田氏をはじめ12名のビッグネームを集めた三木谷氏が断然優勢だ。
Tシャツ姿の社長や茶髪の取り巻きは、若い人には、「ああいうスタイルもあるだろう。」と理解されても、多くの重鎮たちの逆鱗に触れたようだ。

人間、万人に気に入れられることはできない。いやらしさはいけないが、果たして誰に自分を売り込むべきなのかについて、しっかりと軸足を定めることが必要であろう。
その際、必ずしもエンドユーザーがキーパーソンとは限らない。車を売ろうと思ったら、まず奥さんを見方につけるというような「ずれ」も考慮しないと間違うことがあるので注意が必要だ。

また、野球と言えば、その新規参入審査基準に「公共財としてふさわしい企業」とか言っておきながら、一場投手裏金事件による相次ぐオーナーの辞任。あきれるしかない。
ドラフトのケースは、買い手は複数球団で、売り手は一場投手一人、つまり商品は一つしかないので、売り手の交渉力が圧倒的に強い。「レアもの」のオークションの如くに金が積まれたのだろう。そして、自由獲得枠や逆指名という制度がそれを助長した。誰が考えても、当年のペナントレースの順位が下位の球団から順に選手を指名していく「完全ウェーバー制」の方がフェアだろうが、エゴの強い某球団オーナーが、金にものをいわせる逃げ道をつくった結果と思えてならない。
また、スカウトされる側も、昔なら金を受け取るということは「了解(行きます)」の返事を意味したそうだが、最近は「もらえるもんはもらっておくか。」ということなのだろうか?まあ、いずれのモラルも地に落ちたもんだ。

好きな異性を射止めようと思ったら、気持ちを形で表そうとプレゼント攻撃もするだろう。しかし、仕事に絡む自分マーケにおいては、「誠意の形」が行き過ぎるとフェアさを欠いて反感を買うだけでなく、モラルの崩壊となる。それを回避する制度もさることながら、売り手を買い手の倫理感が前提にないといけない。

それから、海の向こう米国では、究極の「自分マーケ」と言える大統領選でにぎやかだ。ブッシュとケリー両氏が投票日を直前に火花を散らしている。対テロ戦争について首尾一貫性を主張しているブッシュ氏だが、現実には泥沼化したイラクと一向に減らないテロの脅威。そこをケリー氏は猛烈に指摘している。
先日のテレビ討論においてはケリーに軍配が上がったらしい。ブッシュ氏は落ち着きを示す青のタイ、ケリー氏は活動力を示す赤のタイだったが、そのようなビジュアルスタイルも重視される。米大統領選初のテレビ討論となったケネディとニクソンの対決では、ニクソンがテレビ用メークもせずに、疲れた表情やうろたえる姿をさらし、逆転敗北を招いてしまったのは有名な話だ。

アメリカでは、イメージコンサルタントをつけている政治家やエグゼクティブが多いそうだが、やはり「見た目」は大切だ。「ボロは着てても心は錦」と言うわけにはいかない。
特に出会ってから7秒以内に決まるとも言われている第一印象は重要と言われる。人柄、考え、能力とは関係なく一瞬にして印象は決定し、良くも悪くも先入観を与えてしまう。その人のパワーが100あっても、第一印象が20であってはなかなか挽回できないというわけだ。
逆説的ではあるが、中身で勝負できる人であればあるほど、損をしないように「見た目のイメージ」を大切にしなければいけない。いくらいいプロダクトでも、いいプロモーションができなければ売れないとの同じだ。

「自分マーケ」は、自分も相手も人間。最近よく言われるエモーショナルマーケティングそのものであって、奥が深く、ウルトラCは見出しにくそうだ。
しかし、製品売るよりまず自分を売らないと。長期的重要テーマとして逃げるわけにはいかない。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】56号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
ごきげんなマーケとマネー研究所


←前へ次へ→

コラムトップへ

 LINK & WILL

お問い合せ info@synergyp.com
Copyright© 2026 Synergy Partners Inc. All Rights Reserved.