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コラム

【マーケティングせつないとき】仁義なきパッケージ戦争を見たとき (2004.09.29)

猛暑でペットボトル飲料がウハウハ売れた夏がようやく終わり、一気に缶コーヒーの季節がやってきた。缶コーヒーのTVCMが増え、自販機にもキャンペーンのプレートが目立ってくる。コンビニの冷蔵庫は既に缶コーヒーの戦場と化している。

それにしても、季節を問わず、ドリンク容器の差別化作戦は涙ぐましい。

キリンの「FIREホワイトコーヒー」は、190g入りでふたの閉まるスリムなボトル缶だ。従来の円柱形のものより個性的で、ちょっと可愛らしいデザインだ。
「オジサンの飲み物」缶コーヒーからの脱却し、20〜30代の女性という新たな顧客層開拓を狙ったそうだ。この缶は「ジーパンのポケットに入れて、歩きながら飲んでも恥ずかしくない缶コーヒーが欲しい」という多くの女性の意見から生まれたというから納得。現在ではその後を追い、数種類の製品がこのボトル缶で並んでいる。

中身は変わらずさまざまな容器で楽しませてくれるのがポカリスエットだ。
200mlのミニサイズのペットボトルが出たときはナンだこりゃと思った。
こちらもやはり女性ターゲット。小さなバッグに入り、手軽に携帯できることが想定されていて、確かに電車の中でチビチビッと水分補給する女子高生やOLを見かけたことがある。
また、生命を育む水の惑星である地球を表現したというブルーの「地球ボトル」も、「青いままでいこう。」の福山雅治のCMとともに、世界観があって惹かれるものがある。

また、爽健美茶、アクエリアス、QOO等で使われている1リットルのミディペット。四角く背の低い容器で、「たっぷり飲めてコンパクト。冷蔵庫のいろんなポケットにすっきり。」というこのパッケージングは、主婦の自転車のカゴに入るということが発想の原点となった花王のアタックのそれを彷彿させる。

そして、もう「キョン2」とは呼べない素敵な大人の女性、小泉今日子のCMでおなじみ、キリンの「麒麟酔茶チューハイ」はアルコール飲料には珍しくペットボトル入りだ。飲みきれなくても栓をして保存でき、缶に比べ軽くて持ち運びしやすいというのが売りだ。

さらには、アサヒビールから年内にペットボトル入りビール発売も予定されているという。うーん。これはあまり美味しそうだとは思わないが。

パッケージングは、マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)に続く5つめのPとして位置づけられることもあるくらい大切な要素だ。
安全性、保全性、利便性などのパッケージ本来の機能はもとより、製品そのものを主張するプロモーション機能を担わねばならない。
特に、セルフ販売が当たり前で、中身は飲んでみないとわからない飲料にとって、パッケージは、商品のアイデンティティを示すカギであり、購買行動のきっかけに大きな役割を果たす。パッケージは製品自らを主張する「つかみ」であり、こればかりは「ボロは着てても心は錦」というわけにはいかない。

親しみやすい、かわいい、カッコいい、スマート…。ターゲット層をがっちりつかむためのパッケージデザインは、色やビジュアルだけでなく、形、機能、素材等あらゆる角度から差別化が行われる。

開発に多大なコストと時間をかけてまで、次々と新たなパッケージを打ち出すのは、差別化のネタが尽きてきているということもあるが、別の視点で言えば、コンビニや自販機で定価で買うこと多い飲料はそれだけ利益がとれているとも言える。
その開発コストも結局、顧客が負担しているわけだから、せめて買い手の私たちは、パッケージウォッチングを存分に楽しんで元をとりたいものだ。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】52号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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