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コラム

【マーケティングせつないとき】お店と客がなかなか両想いにならないとき (2004.09.15)

例えば喫茶店の「ルノアール」というとどういうイメージがあるであろう
か?
落ちついた空間、アート的が使われたインテリア…だろうか?
いや、私の印象は違う。
一番先に頭に浮かぶのが、低くて軟らかいソファーで昼寝するオヤジ。タバコ臭く、どよーんとした雰囲気だ。店舗が異なってもこのイメージは同じだ。

もう一つ、私が時々立ち寄るスタバ某店の例。
ここは朝の時間帯が結構空いており、本を読む人、出勤前に資格試験の勉強する一人客が多い。もちろん待ち合わせ等複数連れもいるが、他人の邪魔をしないように気を使い小声で話している。
しかし、ある一定の時刻(9:45くらい)を過ぎると様子が一変する。幼稚園か小学校の送り迎えを終えた主婦の軍団が登場し、わがもの顔で椅子やテーブルの配置を変えて席を確保し、大声でおしゃべり開始、静けさをぶち壊しにする。そして、さらに百貨店に買い物のための待ち合わせらしきおばちゃんたちが現れて騒々しさに拍車をかける。
「落書きがあると犯罪が増える」ではないが、一組うるさくすると、客が入れ替わる度にどんどんうるさくなる。

店は15分ほどで、くつろぎの空間から苦痛の空間へと豹変し、私は逃げるように店を出る。
最近では「ごゆっくりどうぞ」と言わなくなった喫茶店にとって、他の客を追い出すこのおばちゃんたちは店にとっていい客なのか?いやそんなことはないはずだ。

他にも喫茶店の場合は、何やらネットワークビジネスの勧誘ばかり目立つ店、一目でそれとわかる怖いお兄さんばかりがいる店など、はっきりとカラーが出る。

これらの事例は典型的なケースだが、店のイメージは「客の質」によってつくられることが多い。「あの店はうるさい」といった場合の多くは、うるさくしているのは店ではなくて客だ。もちろん全ての客ではなく一部なのだが、その一部が類は友を呼ぶで一定の塊として存在し、その店の「印象」となってしまう。

もちろん喫茶店に限ったことではない。キャンプ場でマナーが悪い客がいたことで全体の印象が悪くなることはよくあるし、初めて入った飲み屋で、常連ぶっている客が気に入らず二度と行く気がしなくなるなんてこともある。極端な例では、フーリガンが怖くてサッカーに行かないなんていうのも同じことだろう。

リピーターはありがたいというのが小売・サービス業の定石だが、この場合は違う。ありがたくないリピーターが多くの客を逃がしている。

確かに店側にも好ましくない客を呼び寄せてしまう隙があるのかもしれないが、客を怒鳴るすし屋のがんこおやじならまだしも、なかなか選別排除は難しい。喫茶店では、「長時間のご利用はご遠慮願います。」等と書いてあるが、そんなことで言うこと聞くような客だったら最初から苦労しない。

顧客と幸せな「両想い」になるためには、皆にモテてはいけない。
嫌いな客にまでモテてしまっては、好きな客が逃げてしまうというわけだ。
ターゲティングとセグメンテーションだけではなかなか片付かない「客の質のコントロール」はマーケティング上の悩ましい課題だ。

*この記事は、週刊で発行するメルマガ【マーケとマネー〜せつないとき】49号に掲載したものです。ご興味のある方はこちらからご購読ください。
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